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ティファニーで朝食を [読書の効用]

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ティファニーで朝食を

ペパーミントグリーンに金縁。
見覚えのあるその色合いに心惹かれて、一冊の本を手に取りました。

2008年2月に刊行された村上春樹氏訳の、
トルーマン・カポーティ著「ティファニーで朝食を」です。

そう、この人目を引くミントグリーンはあの「ティファニー」の象徴的な色なんですよね。

私は本やCDのカバーに惹かれて買ってしまうことが度々あるのですが、
この本もそういうケースのものだったかもしれません。

「ティファニーで朝食を」は一度読んでみたいと思っていた小説だったのですが、
既に古典名作入りしているものっていつでも読める気がして後回しになってしまうんですよね。
今回は村上春樹氏の新訳本で発刊されたものの装丁に心惹かれて読むチャンスを得ました。

「ティファニーで朝食を」と言えば、
オードリー・ヘップバーン主演の映画としても有名です。
ひょっとしたら日本では原作を読んだ人よりも映画を観た人の方が多いかもしれませんね。

私自身は映画も小説も未経験だったので、先に小説を読むことになりましたが、
読み始めてすぐに・・・というより、話の筋立てだけは知っていたのですが、
オードリーはミスキャストだったろうなあ・・・という感が最初の印象です。

映画の評判を聞く限りは、おそらくは原作とは別物としての面白さがあるんだろうけど、
どうしてもカポーティの描くホリー・ゴライトリーにオードリーのイメージはかぶらないんですよね。

主人公のホリー・ゴライトリーは19歳の誕生日を迎えたばかりという年齢ながら、
ニューヨークの社交界で浮名を流す性的にとても奔放な女性です。

酸いも甘いも知り尽くした、性に熟達した中年女性のようでもありながら、
それでいてどこか少女のような無垢さも併せ持った魅力的な女性として描かれています。

オードリーという女性はあまり女としての生っぽさを感じない女優ですよね。
そういう点で、どうしてもホリー像と噛み合わないのです。

映画の方の話はさておくとして・・・
このホリーという女性に私はあまり魅力を感じませんでした。

ホリーは年齢に似つかわしくない性的魅力を備えていますが、
イノセントな存在としての象徴となっています。

それが「僕」をはじめとした男たちが作り出し、そしていつまでも夢想し続けたいという、
身勝手で実体を伴わない女性像のように感じてしまうんですよね。

一見奔放に人生を謳歌しているホリーのようですが、
なんだか「突き抜けてない」印象があるんです。

ついでに言うと、やはり私は村上春樹氏の文章が好きではないのか・・・とも思ったり。
小説の中に出てくる「僕」が、どうしてもカポーティの描く「僕」ではなく、
いつもの村上流の「僕」に感じてしまうのです。。。

ホリーに魅力を感じなかった要因の一つとして、
「地に足つけた」感じがしないというのがあるのだと言う気もします。

私は女性の本質に大地に根付いたような力強さがあると思うんです。
そういう強さが無ければ、子供を産み育てるという事は難しいでしょうね。

地に足をつけて生きるという事は、決して足かせをつけられて大地に縛られているわけではない。
カポーティにはそういう発想が無かったのだなあと思います。

私には自由に飛びまわっているように見えるホリーが、
ただ根無し草のようにゆらゆらとした儚い存在にしか感じられないのです。

小説はともあれ、そこから一転して今度は映画の世界を拝見してみたいなとは思っています。
こちらは原作のホリーとは全く別人物としての当時のオードリーの魅力と、
ニューヨークを舞台にした華やかな世界や美しい衣装を堪能できるかなと期待しています。





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